2020年11月20日

健やかな関節と健康長寿をサポートするグルコサミン

健康コラム

関節の健康維持だけでなく、健康長寿にも役立つグルコサミンの幅広い働きをご紹介します。

グルコサミンとは

グルコサミンは、軟骨の柔軟性や弾力性に関わる成分で、関節の健康維持に欠かせません。体内でも生成されますが、年齢とともに作られる量は減少します。食品から十分な量を補うのは難しいため、サプリメントなどを利用すると効率よく補給できます。グルコサミンのサプリメントには「グルコサミン塩酸塩」と、「グルコサミン硫酸塩」があり、日本では「グルコサミン塩酸塩」が使われています。どちらも、摂取後にグルコサミンとして体内で利用されます。

グルコサミンで関節トラブルを予防

加齢とともに増える関節トラブルで、最も多いのが変形性膝関節症。軟骨がすり減って膝関節に痛みや変形が生じ、ひどくなると日常生活にも影響を与える状態です。グルコサミンの膝関節への働きに関しては、変形性膝関節症患者を対象とした研究が数多く行われ、グルコサミンを摂ることで痛みが軽減したり、膝の動きが改善したりする働きが示されています。

グルコサミンが膝関節症の発症を予防

グルコサミンは変形性膝関節症の症状軽減だけでなく、発症の予防にも有用であるという研究も報告されています。肥満は、膝に負担をかけるため、変形性膝関節症のリスクを高める要因となります。ヨーロッパで行われた研究では、50〜60歳の肥満女性407名対象を対象に、1日あたり1,500mgのグルコサミン硫酸塩を摂取し、2年半にわたり経過を観察しました。その結果、グルコサミンを摂取したグループでは、摂取していないグループに比べ、発症リスクが59％有意に低下しました。このことから、グルコサミンが、変形性膝関節症の発症リスクを下げること、つまり、予防にも役立つことが示唆されます。

がん予防や死亡率の低下にも相関

グルコサミンには炎症を抑制する働きがあり、長期間摂取することで、がんや動脈硬化などの生活習慣病の原因となる慢性炎症を抑え、病気の予防に役立つと考えられます。アメリカで行われた研究では、グルコサミンサプリメントの摂取と大腸がんリスクの関係を検証。解析の結果、グルコサミンを摂っているグループは、摂っていないグループに比べ、大腸がんリスクが17％低下することが示されました。また、サプリメント摂取と死亡率を10年間調査した別の研究では、グルコサミンあるいはコンドロイチンを摂取すると、死亡率が17％低下する相関が示されています。