2020年5月25日

気になる口臭の予防法

健康コラム

自分の口臭が気になるという人は少なくありません。
今回は、口臭の正しい予防法をご紹介します。

口臭の原因となる「歯周病」と「舌苔(ぜったい)」

口臭（症）には、実際に吐く息がにおう真性口臭症と、人が感じるほどのにおいは検出されない非真性口臭症があります。真性口臭症は、原因となる部位によって、口腔内口臭症と口腔外口臭症に分けられます。

ほとんどの場合、口臭の原因は口腔内にあります。歯周病になったり、舌苔（舌の汚れ）が増加したりすると、硫化水素などの揮発性硫黄化合物が発生し、においの原因となります。また、高齢者は、噛む力が低下することでだ液が減少し、口腔内が乾燥するため、口臭につながることがあります。

毎日のケアと定期的な受診で口臭予防

　口臭予防の基本は、歯みがきです。食事のあと、口腔内の食べかすを放置すると、歯の表面に細菌の膜（バイオフィルム）が形成され、歯周病や虫歯の原因となります。毎食後、必ず歯をみがきましょう。ポイントは、力を入れずに歯ブラシを小刻みに動かし、歯と歯の間や、歯の裏側など、細部までしっかりみがくことです。

　また、歯みがきと同時に行いたいのが、舌苔のケアです。舌を傷つけないよう、歯ブラシは使わず、ガーゼや専用の舌ブラシを使うとよいでしょう。ガーゼを使う場合は、汚れをかき出すようにして舌全体をみがき、ガーゼが黄色に変色しなくなるまで続けるのが目安です。やりすぎると、舌の表面の、味を感じる器官「味蕾(みらい)」まで傷つけてしまうので、注意が必要です。

　口臭の改善には、歯周病の治療のほか、歯科以外の治療が必要な場合もあります。口臭が気になったら、まずは歯科で診察を受けましょう。

オーラルケアアイテムやサプリメントも活用

　一時的な口臭対策として、塩化亜鉛入りの洗口液で、口をすすぐのも有効です。塩化亜鉛は、においの原因となる揮発性硫黄化合物のガス化を防ぎ、口臭を軽減することがわかっています。さらに、歯みがきの後に使うことで、歯石対策にもなります。

　また、においを抑えるのに役立つ成分を摂るのもおすすめです。植物由来の成分の中には、消臭や殺菌、抗炎症の働きを持つものがあります。たとえば、パセリ種子由来の油脂には、アピオールやピネンといった、消臭に役立つ精油成分が含まれます。においが気になるときに、これらの成分が含まれるサプリメントを摂るとよいでしょう。