2019年5月31日

高血圧の診断基準が新しくなりました

健康コラム

日本人が最も多くかかる病気は？

日本人に最も多い病気は高血圧です。「ニッポンデータ研究」などによると、高血圧の有病者数は4,300万人と推計されていますが、そのうち2,450万人（57％）しか治療を受けていません。さらに、その半数程しか血圧をコントロールできていないといわれています。

サイレント・キラー（沈黙の殺し屋）

高血圧を放置すると全身の血管や臓器に負担がかかり、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患、心臓の肥大、脳卒中、慢性腎臓病の原因となりますが、自覚症状がありません。そのため、高血圧は「サイレント・キラー（沈黙の殺し屋）」とも呼ばれます。収縮期血圧（最高血圧）120 mmHg以上、拡張期血圧（最低血圧）80mmHg以上になると、脳出血や脳梗塞の発症が増え、140mmHg以上、90mmHg以上になると、発症頻度は一段と高くなります。

新しくなった診断基準

最近の研究では、血圧は低いほど、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症のリスクが減ることが示されています。日本高血圧学会が診断基準を5年ぶりに改訂し、高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)を発表しました。新しいガイドラインでの高血圧の基準値は、診察室血圧が140/90mmHg、家庭血圧が135/85mmHg。収縮期血圧（最高血圧）あるいは拡張期血圧（最低血圧）のいずれかを満たせば、高血圧です。今回の変更では、従来の「至適血圧」がなくなり、「正常血圧」、「正常高値血圧」の数値が引き下げられ、「高値血圧」が設定されました。

血圧の目標

新しい診断基準では、診察室血圧で「正常血圧」(120/80mmHg未満)だった場合は問題ありませんが、「正常高値血圧」(120〜129/80mmHg未満)以上だった場合、生活習慣の修正が必要です。また、高リスクの「高値血圧」者および「高血圧」者(140/90mmHg以上)では、生活習慣の修正を積極的に行い、必要に応じて降圧薬治療を開始することが推奨されています。降圧目標は、診察室血圧が130/80mmHg、家庭血圧が125/75mmHgです。

高血圧での生活習慣の修正項目

日本人が高血圧になる特徴は、「塩分の過剰摂取」、「肥満」の2つです。

生活習慣を見直すポイントは、次の6つです。

１. 減塩

塩分量は、1日あたり6ｇ未満にしましょう！

２a. 野菜・果物

野菜や果物を積極的に食べましょう！

２b. 脂質

コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、

魚（魚油）を積極的に食べましょう！

３.ＢＭＩ（体重(kg)÷［身長(m)×身長(m)］）

ＢＭＩ25未満を目指して減量しましょう！

４.運動

　心血管病のない高血圧の人は、

中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に

（毎日30分以上を目標に）行いましょう！

５.節酒

エタノールで男性は20-30ml/日以下、

女性は10-20ml/日以下を目指しましょう！

６.禁煙

禁煙(受動喫煙の防止も含む)しましょう！

血圧対策にお勧めサプリメント「ゴマペプチド」

ゴマペプチドとは、ゴマから抽出したたんぱく質に、酵素を作用させて得られたゴマたんぱく質分解物です。血圧の調節に関係するアンジオテンシン変換酵素（ACE）という酵素の働きを抑えて、血圧の上昇を防ぐ働きかけがあります。血圧が気になる方はぜひ、試してみてはいかがでしょうか。