2019年6月17日

フレイルを予防し、健康寿命をのばす

健康コラム

厚生労働省によると、2016年(平成28年)の日本人の平均寿命は、過去最高の男性 81.09歳、女性87.26歳（2018年7月20日、厚生労働省簡易生命表）と発表されています。しかし現在では、単なる寿命の長さではなく、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)が重視されています。

健康寿命が尽きる原因

日本人が自立した生活を送れなくなる原因、つまり、健康と言えなくなる理由は何でしょうか。介護が必要になった原因の第1位は「認知症」、第2位が「脳血管疾患（脳卒中）」、第3位が「高齢による衰弱」です。（厚生労働省）日本人の健康寿命の延伸のためには、認知症、脳卒中、高齢による衰弱を防ぐことが重要になります。

フレイルとは

「高齢による衰弱」はあいまいな概念ですが、最近では、日本老年医学会で提唱された用語「フレイル」がよく使われています。「フレイル」とは、「加齢により、心身の活力が徐々に低下した状態」のことです。フレイルは、加齢に伴って身体機能や予備能力が低下した状態であり、健康な状態と要介護となる状態の間に位置しています。「フレイル」の状態であれば、早期に適切な対応を行い、栄養状態や運動を改善することで、再び健康な高齢者の状態に戻ることができます。

サルコペニアとは

フレイルに関連する病態として、「サルコペニア」があります。「サルコペニア」とは、「加齢や疾患により筋肉量が減少し、全身の筋力低下および身体機能の低下が生じる状態」のこと。「筋肉量と筋力の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、QOL低下、死亡リスクを伴う」と定義されています。ギリシャ語で筋肉を表す「サルコ（sarco)」と喪失を表す「ぺニア(penia)」からの造語で、日本語では「筋肉減弱症」と訳されることもあります。フレイル対策による健康寿命の延伸には、サルコペニアの予防や改善が必要です。

フレイル（高齢による虚弱）の予防と改善

フレイル対策としてサルコペニアの予防には、食事からタンパク質を十分に摂るとともに、栄養補助食品として、「アミノ酸（分岐鎖アミノ酸）」や「ＨＭＢ[β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸]」、「ビタミンＤ」を補うことが有用です。サプリメントを有効活用し、健康寿命を延ばしましょう！