健康診断の項目にある血圧。

日本人の約1/3が高血圧と言われ、「隠れ高血圧」の割合が高くなっています。
高めの血圧を放置していると動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、認知症、慢性腎臓病など病気リスクが高まります。
以前は収縮期血圧が130mmHg以内なら正常でしたが、2019年4月に、日本高血圧学会が「高血圧治療ガイドライン2019」で、正常の目安となる血圧値を120mmHg未満に引き下げました。「診察室血圧※」が130/mmHg以上になると「高値血圧」となり生活習慣の改善が必要とされます。
140 mmHg以上は「高血圧」と診断され、生活習慣の改善だけでなく、必要に応じて降圧薬治療が推奨されます。1日の塩分摂取量も6g未満を目標とされています。

このように基準が引き下げられた要因としては、日本では4300万人が高血圧であるにも関わらず、半数しか治療を受けていないこと、治療中の人でも半数が降下目標を達成していない現状があります。

病気リスクを避けるには、まずは、自分の血圧を正しく知り、必要に応じて対策を取ることが大切です。家庭で血圧測定する場合は、「診察室血圧」より5mmHgがマイナスされ、125mmHg以上が「高値血圧」、135 mmHg以上が医療機関への受診が必要な「高血圧」になります。1回の測定ではなく、朝など決まった時間に測定し、5日〜7日の平均を見るようにしましょう。

※診察室血圧とは「病院の診察室で測定した血圧」のこと。家庭で計測した血圧は「家庭血圧」とされます。


出典：「みんな、げんき？」2022年8月号

　　　「高血圧治療ガイドライン2019」

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