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「プレコンセプションケア」とは、女性やそのパートナーが将来の妊娠を考えながら、自分たちの生活や健康に向き合うことです。
新しい家族のための「プレコンセプションケア」
コンセプションとは、おなかの中に赤ちゃんを授かる“受胎”のこと。プレコンセプションケアとは、女性やそのパートナーが妊娠する前から、妊娠・出産に対する正しい知識を持ち健康を考える“受胎前のケア”のことです。WHO(世界保健機関)がプレコンセプションケアを提唱し、日本では国立成育医療研究センターが、プレコンセプションケアセンターを開設しました。
最近の研究により、妊娠前からの女性の健康は、胎児や出産時の赤ちゃんの健康だけでなく、将来の生活習慣病や精神疾患のリスクにも関係することがわかってきました。プレコンセプションケアは妊娠計画の有無にかかわらず、すべての女性とパートナーにとって大切なケアとされています。
社会全体の取り組みへ
日本の若年女性の健康は、さまざまな問題が指摘されています。例えば、20代女性の約2割が医学的には痩せ過ぎで、ビタミンやミネラルも不足しています。痩せ過ぎや低栄養は胎児にも影響を及ぼし、日本の低出生体重児の割合は、先進国の中で最も高い10%近くに達しています。また、低出生体重児は成人後に生活習慣病になるリスクが高いことがわかっています。
プレコンセプションケアは妊娠前の女性だけでなく、新しい家族のためのケアです。また、将来の世代の健康のために、社会全体で取り組むべきテーマでもあります。
プレコンセプションケアに欠かせない葉酸
プレコンセプションケアにおいて、もっとも重要な栄養素のひとつとされているのが葉酸です。
妊娠初期の葉酸不足は胎児の先天奇形の原因となります。また、充分な葉酸摂取は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、早産、産後うつ病の予防や、子どもの自閉症の予防にも有用です。健やかな妊娠・出産のためには、妊娠する前の段階から、体内利用効率の高い葉酸のサプリメントを継続して摂ることが推奨されています。
プレコンセプションヘルスケア 10カ条
※アメリカ・CDCプレコンセプションヘルスケアから一部改変
(1) リプロダクティブ・ライフプランを立てましょう
男性も女性も、将来子どもを持つか持たないかを考え、計画を立てて行動しましょう。この計画を“リプロダクティブ・ライフプラン(生殖に関する人生設計)”といいます。
(2) 健康診断を受けましょう
年に一度健康診断を受け、感染症(性感染症や風疹など)から自分を守りましょう。
(3) 葉酸サプリメントを摂りましょう。
体内利用効率が高い合成葉酸(サプリメント)で、400㎍摂りましょう。
(4) 喫煙をやめ、過度な飲酒を避けましょう
禁煙し、受動喫煙や飲酒を避けましょう。新型たばこも危険です。
(5) 有毒物質を避けましょう
有害物質への接触は、生殖器系臓器の働きに影響を与える可能性があります。
(6) 健康的な体重を維持しましょう
肥満は生活習慣病や婦人科系がんのリスクを高め、痩せすぎは月経不順などの健康上の問題を生じます。
(7) 不妊症のリスクを下げましょう
卵子は老化します。男性の不妊症のリスクとして飲酒や喫煙、肥満があります。
(8) 家族の病歴を知りましょう
家族の健康状態は、自身の健康上のリスクを知る手助けになり、病気の予防や早期発見に役立ちます。
(9) メンタルを健康に保ちましょう
精神面の健康も大切です。ストレスをためない生活を送りましょう。
(10) 準備が整ったら、妊娠の計画を立てましょう
男性はパートナーとして、女性の健康維持をサポートしましょう。