2019年4月25日

アメリカの認知症患者が24%減少したわけとは？

健康コラム

今回は、認知症患者数が減少しているアメリカの現状と、ビタミンBの1種である「葉酸」の働きについてご紹介します。

日本では増加、アメリカでは減少している認知症

超高齢社会の日本では、65歳以上の高齢者のうち約4人に1人が、「認知症」または「その予備軍」とされており、大きな社会問題になっています。厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」では、要介護になる原因の第1位が認知症という結果が示され、健康寿命の延伸を阻む大きな壁となっています。

一方、アメリカでは、65歳以上の高齢者を対象にした全国調査で、2000年と2012年を比較すると、肥満者数や糖尿病患者数が増えているにも関わらず、認知症患者数は24%も減少していることがわかりました。

「葉酸」の日常的摂取で認知症・脳卒中対策！

アメリカで認知症患者数が減少した要因のうち、食品の分野では、日常的な「葉酸」の摂取が注目されています。

葉酸には、たんぱく質が代謝されるときにつくられる、ホモシステインという有害なアミノ酸の増加を抑える働きがあります。

ホモシステイン値が高いと、動脈硬化を生じ、脳卒中や心臓病（狭心症、心筋梗塞などの冠状動脈疾患）を引き起こすほか、脳血管型認知症やアルツハイマー病のリスクも高くなります。

アメリカでは、1998年からFDA（米国食品医薬品局）が、シリアルなどの穀類に葉酸を添加することを義務化しています。

添加直後から白人女性の脳卒中による死亡率が顕著に低下し、先述の認知症患者数の減少も、日常的な葉酸の摂取と深く関わっていると推察されています。そのため、葉酸は、認知症と脳卒中対策のために積極的に摂りたいビタミンなのです。

葉酸の摂取には、サプリメントがおすすめです！

日本の葉酸摂取推奨量は1日あたり240μg。（厚生労働省「日本人の食事摂取基準（2015年版）」より）一方、アメリカやWHO（世界保健機関）では、動脈硬化や認知症の予防に望ましいとされる400μgの摂取を推奨しています。これより、日本の摂取基準はアメリカよりも大幅に少ないことが分かります。

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの野菜に含まれていますが、熱に弱く、水に溶けやすい性質のため、食品由来の葉酸の体内での利用効率は約50％。葉酸を確実に摂るためには、体内での利用効率が約85％のサプリメント（※1）の利用がおすすめです。

※1 プテロイルモノグルタミン酸