2020年8月27日

サプリメント最新研究：肥満・脳卒中対策

健康コラム

サプリメントや機能性食品成分に関する研究は、日々進展しています。
今回は、最新の研究結果をご紹介します。

「α(アルファ)-リポ酸」で肥満対策

「α(アルファ)-リポ酸」は、細胞内のミトコンドリアで産生され、エネルギー産生の過程で働く脂肪酸の一種です。α-リポ酸に関する最新のメタ解析（複数の研究データを統計・解析すること）では、抗肥満作用が示されました。2020年1月までに発表された論文では、α-リポ酸による体重の変化を検証した18報、BMIの変化21報、ウエスト周囲長（へその高さで測った腹囲）の変化8報を解析。その結果、α-リポ酸の投与による体重の減少、BMIの低下が見出され、女性はウエスト周囲長の減少も示されました。

α-リポ酸のサプリメントは、抗酸化作用による働きが知られており、ダイエットからエイジングケアまで幅広く利用されています。また、欧米では、糖尿病の合併症である神経障害への有用性も報告されています。

葉酸が高血圧患者での脳卒中を減少

高血圧の患者に対し、治療薬（降圧剤）と葉酸サプリメントを併用すると、生存期間が長くなるという研究が発表されました。これは、葉酸が血中の悪玉アミノ酸のホモシステイン値を低下させ、脳卒中（脳梗塞）など動脈硬化による病気を予防するためと考えられます。

高血圧患者2万人を対象に行われた「中国脳卒中一次予防試験」では、降圧剤のエナラプリルのみを服用した群に比べて、降圧剤と葉酸サプリメントを併用した群では、脳卒中の発症が減少しました。それにつづく今回の研究では、19,053人のデータから、脳卒中を発症せずに生存した（脳卒中フリー）期間が推計されました。その結果、降圧剤のみの群に比べて、葉酸サプリメントを併用した群では、脳卒中フリー期間が平均1.75カ月、最大で12.95カ月、延長したことが報告されました。

葉酸は、葉物野菜にも含まれていますが、水溶性ビタミンのため、加熱調理の過程で約半分が失われてしまいます。葉酸の効率的な摂取には、サプリメントの利用がおすすめです。