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野菜は身体によいことは、周知の事実。ですが、なぜ食べなければならないのか、私たちの体の中でどんなはたらきをしているのかはご存じですか?野菜は、ビタミンやミネラル、食物繊維の宝庫。おなじみ野菜を例に、その素晴らしき役割をご紹介します。
健康のために、野菜は毎日必要!というのは、みなさんよくご存じのはず。
でも、なぜ野菜は大事なのか、私たちの体にとってどうよいのか、なにをどのくらい食べる必要があるのか、と聞かれると、「なんとなく」「体によいと言われるから」という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、スーパーなどでもよく見かけるおなじみの野菜をピックアップして、そのはたらきをご紹介。それぞれの特長を知れば、もっと野菜のことが身近に感じられるかも?
野菜はなぜ必要なの?
日常的に野菜を多く食べている人は、脳卒中や心臓病などにかかる確率が低いという報告があります。
反対にいうと、野菜を食べる量が少ない=様々な病気にかかるリスクが高まる可能性があるということ。
野菜には、体の調整に必要なビタミンやミネラル、腸内環境を整える食物繊維が含まれます。また、この食物繊維には、血糖値やコレステロール、中性脂肪にも有用なはたらきかけがあることが、近年では示唆されています。
さらに野菜特有の成分には、健康な体づくりに欠かせない、様々な栄養素が含まれていることも分かっています。
「疲れがとれない」「体調を崩しやすくなった」「肌が荒れる」などの日々の不調も、野菜をはじめとした栄養不足によるものかもしれません。
日本人は7割が野菜不足!種類の偏りにも注意
厚生労働省の調査によると、日本人の野菜の充足率は平均288.2g。また、約7割が野菜不足であることが分かっています*。
意識して野菜を食べているという方も、使いやすい・価格が安定して買いやすい、などの理由でいつも同じ野菜ばかりになっていませんか?
野菜にはそれぞれに特長があり、持っている栄養素やその量が異なります。つまり、野菜を食べていても、栄養が偏っている可能性があるんです。
毎日を元気に過ごすためには、様々な野菜から栄養素を摂取することが大切!ここからは、それぞれの野菜に含まれる栄養素などをひとつずつご紹介します。
【一覧】野菜にふくまれる栄養素や成分と、そのはたらき
老化防止に!ビタミンC豊富な【ブロッコリー】
【おもな栄養素】
ビタミンC、β-カロテン、ビタミンK、葉酸、食物繊維 など
ビタミンCが豊富で、グラムあたりの量はレモン以上。ビタミンCは抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の予防によいほか、コラーゲンの生成、免疫力のアップによる風邪の予防、ストレスの軽減など、様々なはたらきが確認されています。
また抗がん作用があるとされる「スルフォラファン」という成分が含まれているのも特長です。
抗酸化作用をもつβ-カロテンたっぷり!【にんじん】
【おもな栄養素】
β-カロテン、カリウム など
にんじんは野菜の中でも高いβ-カロテン量を誇ります。
β-カロテンは、体内に入ると必要な分のみビタミンAに変換されます。そのため過剰摂取の心配が少なく、不足しがちなビタミンAを積極的に補給できます。
β-カロテンから変換されたビタミンAには、粘膜・皮膚・暗闇での視力を正常に保つはたらきや、抗酸化作用があります。
野菜の万能選手(1)【ほうれん草】
【おもな栄養素】
β-カロテン、ビタミンK、葉酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム など
ビタミン・ミネラルが幅広く含まれている、栄養価の高い野菜。旬である冬は、ビタミンCの含有量が高まるとされています。
ビタミンKは血液凝固や骨を丈夫にするはたらきがあります。葉酸は造血・発育に欠かせない栄養素で、近年では、動脈硬化のリスクを減らしたり、認知症対策としても有用とされています。
野菜の万能選手(2)【小松菜】
【おもな栄養素】
β-カロテン、鉄、カルシウム、カリウム など
万能野菜のほうれん草と同じく、ビタミン・ミネラルが幅広く含まれている、栄養価の高い野菜です。抗酸化作用のあるβ-カロテンのほか、鉄とカルシウムは、ほうれん草より多く含まれています。
カルシウムは、骨を強く保つだけでなく、神経のはたらきを調整したり、筋肉運動に関わるなど、生命維持活動に欠かせない栄養素です。
抗酸化や便通改善に!【カボチャ】
【おもな栄養素】
β-カロテン、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、食物繊維 など
強力な抗酸化作用をもつビタミンEや、糖質・脂質・たんぱく質の代謝をサポートし、欠乏すると疲れやすくなるビタミンB群、便秘の予防や改善に役立つ食物繊維が多く含まれています。
疲労回復にはたらく【アスパラガス】
【おもな栄養素・成分】
β-カロテン、葉酸、カリウム、アスパラギン酸、ルチン など
抗酸化作用のあるβ-カロテンや、造血・発育に欠かせない葉酸などのほか、特有成分として「アスパラギン酸」があります。これは、新陳代謝を促しエネルギーを生み出す、疲労回復などによいとされている成分です。
また穂先には、毛細血管を強く丈夫にするはたらきのある「ルチン」も含まれています。
ネバネバパワーがすごい【オクラ】
【おもな栄養素・成分】
β-カロテン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ペクチン など
オクラのぬめり成分には、胃の粘膜を保護したり、消化を助けるはたらきがあります。その中でも注目は、血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を低下させるはたらきが期待されている「ペクチン」。
さらに、抗酸化作用のあるβ-カロテンや、高血圧予防によいカリウム、骨を丈夫に保つカルシウムなど、多彩な栄養素が含まれています。
胃腸にはたらく!【キャベツ】
【おもな栄養素】
ビタミンC、ビタミンK、葉酸、カリウム など
中でも、風邪の予防や疲労回復にはたらくビタミンC、血液の凝固や骨を丈夫に保つビタミンKが豊富。また、「キャベジン」と呼ばれるビタミンUは、胃腸の粘膜修復にはたらきます。
様々な栄養素が含まれる【白菜】
【おもな栄養素】
ビタミンC、鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウム など
どれかが突出して豊富というわけではありませんが、バランスよく様々な栄養素が入っており、一緒に摂るとよいと言われる、カルシウムとマグネシウムも含まれています。また、たんぱく質を構成するために必要なアミノ酸も、まんべんなく含まれています。
消化を助け、殺菌作用も【大根】
【おもな栄養素・成分】
(根部分として)ジアスターゼ、イソチオシアネート など
(葉部分として)β-カロテン、ビタミンE、ビタミンC、カリウム、カルシウム など
低カロリーでヘルシー。ビタミンやミネラルなどは多くありませんが、消化を助ける「ジアスターゼ」や、殺菌作用のある「イソチオシアネート」が含まれています。葉の部分は緑黄色野菜に分類され、β-カロテンやビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウムが豊富に含まれています。
サラサラ血液で血栓予防!【玉ねぎ】
【おもな栄養素】
カリウム、ケルセチン、硫化アリル など
硫化アリルは、新陳代謝を活発にし、疲労回復などにはたらくとされています。血液をサラサラにするはたらきもあり、血栓予防にも。血栓は動脈硬化のもととなり、その先の心疾患や脳卒中などのリスクも高まりますので、積極的に摂りたいですね。
またケルセチンにも、LDLコレステロールの蓄積を防ぎ、動脈硬化を予防するはたらきが。近年の研究では、ケルセチンによる認知機能改善の可能性も示唆されています。
様々な食物繊維たっぷり【ごぼう】
【おもな栄養素】
食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム など
ごぼうの特長といえば、食物繊維。整腸作用はもちろんのこと、血中コレステロールを低下させるはたらきがあります。また、食物繊維に含まれる「イヌリン」という成分には、血中中性脂肪の低減や、食後血糖値を抑えるはたらきも確認されています。
スタミナや血行促進、殺菌も【にんにく】
【おもな栄養素・成分】
カリウム、ビタミンB群、アリシン など
アリシンは、疲労回復・滋養強壮などのほか、免疫力を高めたり、血行を促進して冷えを改善し、動脈硬化、血栓の予防にもはたらくとされています。高い殺菌力もあり、がん予防としても期待されている成分です。
お通じだけじゃない!【さつまいも】
【おもな栄養素・成分】
ビタミンC、カリウム、食物繊維、ビタミンE、アントシアニン(紫いも)、ヤラピン など
じゃがいもと同じく、でんぷんによって熱からビタミンCを守ります。お通じによいというイメージがありますが、これはさつまいもに含まれる食物繊維と「ヤラピン」という成分による相乗効果によるもの。さらに紫いもには、目にはたらくとされる抗酸化物質「アントシアニン」も含まれています。
野菜は"種類"も意識して。難しい場合は...
野菜はそれぞれ、バラエティ豊かな特長を持っており、含んでいる栄養素も異なるため、食べる種類が偏っていると、栄養素にも偏りが出てしまいます。
また、それぞれの栄養素には、一緒に摂ることで相乗効果が得られるものも多くあります。野菜を食べるときには、種類も意識してみましょう。
日々の食事でそこまで意識するのは難しい、野菜をしっかり摂れているか自信がない、そもそも野菜が苦手、という方は、様々な野菜のエキスがぎゅっと詰まったサプリメントなどを利用するのもおすすめです。
医師・薬剤師・栄養士から構成される専門スタッフが、医薬品、医薬部外品、健康食品について飲みあわせを含めて、ご質問・ご相談を承ります。