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2024年5月30日
笑いが体にもたらす医学的効果は?
お腹の底から笑うと、心身共に元気になった気がしませんか?
笑いと治療の関係を研究するきっかけは、治る見込みが500分の1と言われる難病を抱えたアメリカの作家が、笑うことで社会復帰を果たした逸話と言われています。
なぜ、笑いが病を完治させたのでしょうか?
まず呼吸器の観点からみると、笑う時には「下腹部に力を入れて息を短く吐く」ことを繰り返しています。1回に出入りする空気の量は、胸式呼吸に比べて腹式呼吸が2000mLと4倍多く、1分間の呼吸量が増えます。大声で笑うことを繰り返すと体内にたまっている大量の二酸化炭素が体外に排出され、たくさんの酸素が体内に入りやすくなります。
すると肺胞の表面からプロスタグランジンが分泌され、血管を拡張させ血圧を下げるように働きます。また怒りや不安などに関与する脳内の神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌を抑えてくれます。
次に、免疫系の影響として、寄席を見に来たお客さんの免疫細胞NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を調べた研究では、大笑いした後にはるかにNK細胞が活性化していたことが分かりました。他の研究でも、お笑いの開演前と後ではNK細胞が平均35〜45%アップしていたと報告されています。
歳をとるとともに、呼吸筋や横隔膜筋、血管収縮力など低下していきます。大笑いすることでこれらの機能のトレーニングにもつながり、気分や感情をよい方向に変換してくれます。まさに「笑う門には健康きたる」、笑いは様々な不調を整えてくれるのです。
※出典:健康長寿ネット「笑いの健康効果」