人気の管理栄養士が教える!夏に食べたい、免疫力アップのさっぱり素麺レシピ!

人気の管理栄養士が教える!夏に食べたい、免疫力アップのさっぱり素麺レシピ!

管理栄養士/料理研究家

五十嵐 ゆかり 先生

(いがらし ゆかり)

中学で料理研究家を目指し、大学卒業後に管理栄養士の資格を取得。身近な食材を使って簡単時短でおいしく作れる「#ラク速レシピ」がTwitterで人気を集め、フォロワー数は36万人を超える。極上スイーツブランド「toroa」のレシピ開発者・クリエイティブディレクターとしても活躍。
著書・監修本に『五十嵐ゆかりさんの夜9スープ』(オレンジページブックス)、『電子レンジでついでにつくりおき』(KADOKAWA)、『ラク速レシピ』(扶桑社ムック)、『食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖』(永岡書店)など。

屋内外の気温差による自律神経の乱れや食欲不振による栄養不足など、暑さが厳しくなるにつれなりやすい夏バテの原因は、同時に免疫力の低下も引き起こしてしまうよう。そこで今回は、日本一フォロワーの多い管理栄養士として人気を博す五十嵐ゆかりさんに、夏バテ予防や免疫力アップに効果のある食材を使った美味しい素麺レシピを教えていただきました。ササっと簡単に作れて栄養価も高い、これから迎える夏本番にぴったりの一皿をぜひお試しあれ。レシピ動画を見る >

 夏バテは免疫力低下の原因に! 
 実は夏こそ、免疫の活性化が 
 必要な理由 

皆さんは、1年でもっとも免疫力の低下しやすい季節はいつだと思いますか? 一般的には風邪やインフルエンザの流行する冬だと思われがちですが、実は年間を通してもっとも免疫力が下がるのは夏だといわれています。これには、体がダルい、やる気が出ないといった「夏バテ」の症状と密接に関わる、2つの原因が考えられます。

屋内外の気温の差による自律神経の乱れ

冷房の効いた屋内と太陽の照りつける屋外の急激な温度差は、これに対応しようとする交感神経ばかりを活発にさせ、自律神経を乱すとともにエネルギーの消費量も増加させます。その結果、自律神経の乱れは免疫機能や体温調整機能の低下を招き、エネルギー消費量の増加は夏バテの症状となるダルさや疲れを誘発してしまいます。

食欲不振や激しい発汗による栄養不足

自律神経の乱れは胃腸の働きを弱め、夏バテの代表的な症状である食欲不振や消化不良を引き起こします。また、夏場の激しい発汗は、汗と一緒に体に必要なビタミンやミネラルも排出してしまうともいわれています。これらが免疫の活性化に欠かせない大事な栄養素を不足させる原因となり、免疫機能を低下させてしまうのです。

 夏バテや免疫機能の
低下を防ぐ、 
 おすすめの食材や栄養素とは? 

では、こうした夏バテや免疫機能の低下を防ぐには、どのような食事を心がけたらいいのでしょうか。五十嵐さんは管理栄養士の立場から、次のようなアドバイスとおすすめ食材の紹介をしてくれました。

「夏バテ予防には、筋肉疲労を回復させてくれるタンパク質、夏場の発汗によって不足しやすいミネラル、そして体の健康維持に欠かせないビタミンを積極的に摂るのがおすすめです。特にタンパク質を摂るときは、肉や魚に多く含まれるビタミンB6もあわせて摂るように心がけましょう。ビタミンB6にはタンパク質の分解を助ける働きがあることから、一緒に摂ることでより高い効果が期待できます。

また、ビタミンB1も意識して摂りたいビタミンのひとつです。ビタミンB1には糖質をエネルギーに変え、体内の老廃物を代謝する働きがあることから、夏バテによる疲労を回復するサポートが期待できます」(五十嵐さん)

加えて、免疫力の低下を防ぐには、魚介類やきのこ類に多く含まれるビタミンDを摂ることがおすすめとのことでした。 食欲不振には、しそや生姜などの香味野菜やカレー粉やトウガラシなどの香辛料、酢やレモンといった酸味のある 食材や調味料を活用するとよいそうです。

免疫力をアップさせる、おすすめの食材

免疫機能の低下を防ぐために五十嵐さんがおすすめする食材は、次の5つです。今回紹介するレシピにも使われている、栄養価の高いパワーフードです。

サーモン

「サーモンには免疫機能の向上に欠かせないビタミンDはもちろん、夏バテに効果のあるタンパク質やビタミンB6も豊富に含まれています。タンパク質は免疫物質を作り出す大事な栄養素であることから、免疫力を高める働きも期待できます」(五十嵐さん)

トマト・しそ・ごま

「トマトに含まれるβ-カロテンやしそに含まれるビタミンC、ごまに含まれるビタミンEは強い抗酸化作用をもち、免疫力アップに役立つことが知られています。これらは単体で摂るよりもあわせて摂ることで効果が高まるといわれていますので、今回のレシピでも組み合わせて摂れるように工夫しました」(五十嵐さん)

アボカド

「アボカドに含まれる食物繊維は、腸内環境をよくする働きがあるといわれています。腸には多くの免疫細胞が存在していることから、腸内環境を整えることで免疫力のアップが期待できます」(五十嵐さん)

 ビタミンたっぷりで、 
 β-カロテンや食物繊維も豊富! 
 栄養満点の素麺レシピ 

それではさっそく、これらのおすすめ食材を使った、五十嵐さん考案の素麺レシピを紹介していきましょう。暑い夏でもさっぱりといただける、栄養満点の美味しい一皿に仕上がりました。

「めんつゆにつけて食べることが多い素麺をまるでパスタのような洋風な料理へアレンジしました。素麺は栄養素が炭水化物に偏りがちですが、アボカドやトマトを入れたタレと食べることで、β-カロテンやビタミンC、食物繊維を摂ることができます」(五十嵐さん)

サーモンとトマトの
さっぱりレモンだれ素麺 (材料:2人分)

素麺
150g
サーモンの刺身
150g
アボカド
1/2個
トマト
1個
しそ
5枚
オリーブオイル
大さじ2
めんつゆ(3倍濃縮)
大さじ2と1/2
レモン汁
大さじ1
おろしにんにく
小さじ1/2
醤油・コショウ
適量
白ごま
小さじ1

(作り方)

1

アボカド、トマトは一口サイズに切る。しそは千切りにして水にさらす。サーモンの刺身は一口サイズに切る。

2

ボウルにオリーブオイル、めんつゆ、レモン汁、おろしにんにくを入れて混ぜ、アボカド、トマト、サーモンの刺身を加えて和えたら冷蔵庫に入れておく。

3

素麺を茹でて流水で洗い、水気をしっかり切る。

4

2のボウルに素麺を加えて混ぜ、醤油、コショウで味を調える。

5

器に盛り、しそをのせて白ごまを指でつぶしながら散らす。

完成!

(ポイント)

  • ●ビタミンDは脂溶性のビタミンであるため、脂質が豊富なサーモンで摂ることでより高い吸収効果を期待できます
  • ●β-カロテンは油と一緒にとると吸収されやすいため、オリーブオイルと食べることで吸収率のアップが期待できます
  • ●ビタミンCを含んだ食材は茹でたり、炒めたり、熱を加えると栄養分が失われやすいため、アボカドやトマト、
    しそなどは加熱をせずに使用しています
  • ●白ごまに多く含まれるビタミンEは、指でつぶしながら散らすことでより吸収されやすくなると考えられます

厳しい暑さを迎えるこれからの季節は、食欲もなくなり、どうしてもパワー不足に陥りやすいもの。五十嵐さん考案の美味しいレシピで、夏バテと一緒に免疫機能もケアしてみてはいかがでしょうか。