新潟県は自然が色濃く残っているところです。海の幸、山の幸、川の恵み…
豊かな自然の産物がいたるところにある。
そのお陰で沢山の美味しい食材に恵まれています。それが新潟県です。
新潟県は「日本」全体を縮小したような形をしています。北部、中部、南部、そして佐渡、粟島の島々…に区分できます。
北部を下越または北越、中部を中越、南部を上越…と呼ばれています。都である京都に近い地域の順に「上越(上)」「中越〈中)」「下越(下)」という区分です。
新潟県は一方は海ですが、三方を山に囲まれた土地で、山形、福島、群馬、長野、富山の各県に行くには、必ず険しい山を越えなければならない、という土地柄です。
その三方の山々に、冬になるとシベリアからの季節風が吹き荒れて、大量の雨や雪を運びます。三方の山々が丁度「屏風」のように立ちはだかって大雪を降らすのです。
北から南まで、実に多くの河川があり、これらの山々から日本海に向って、雪解け水を運びます。これが新潟県に多くの恵みを与えてくれるのです。
ですから、清らかな「うまい水」なのです。水質は「軟水」が多いのです。
そういう土地柄のせいか、例えば企業も、昔から新潟県一県だけの独立した支社支店を配置してきました。新潟県は大きな単位でみれば、「孤島」…のような、自然の位置環境です。
新潟市を中心にして(南西から北東までは日本海ですが)越後平野が広がっています。
これにも地域によって区分されていまして、各々文化が異なります。北方のそれは「北蒲原」…私共「越乃梅里」の蔵は、ここ北蒲原にあります。以下…東蒲原、西蒲原、南蒲原とありまして、広大な田んぼの群れまた群れ…という感じです。
昔を思い出すと「行けども、行けど、も田んぼばかり」でした。信濃川と阿賀野川が交差して作られた平野です。暴れ河を制するのにどれほどの困難、労苦が費やされたことでしょう。そのお陰で、今日の「米の王国」があるのです。
新潟県人は昔から「人がいい」ことで定評があります…ホントですよ。江戸まで餅つきを手伝うために出かけて行くくらいですから。
新潟県人は取っ付きは悪いかも知れませんが、心の交流が芽生えると、とてもつき合い易い「人柄」に気づきます。
真面目、誠実、我慢強く、でも無口…稀に「コンペイさん」みたいな人もおります。古くは上杉謙信、小林虎三郎、山本五十六、田中角栄さんのような偉人もおられますが、杉と男は育たない…などと揶揄されるくらい「人のいい」新潟県人です。
明治41年の創業時は加治川支流の伏流水を汲みあげて酒造用水として用いてきましたが、その後、規模拡大と共に頓挫。新たな水源を阿賀野川(上流からの導水)に求める為に多大の苦労を強いられました。
現在は優れた軟水に恵まれて、安定した酒質を得ることが出来るようになりました。
当蔵がある旧豊栄市は、新潟県の穀倉地帯の中心部に位置し、近隣から良質の酒造米が供給される環境にある。県都新潟市の北東23kmにあり、海へも、山へも、ほぼ同等の距離にある。
蔵の近くには「21世紀に残したい自然百選」にも選ばれた野鳥の宝庫「福島潟」があります。
福島潟は新潟県に数多くあった潟湖の姿を今に残す唯一の場所で、私たちの暮らしと密接に関わってきた潟です。今までに220種以上の野鳥・350種以上の植物が確認されている自然の宝庫。直径2mもの葉を持つ巨大な「オニバス」の自生の北限です。
たくさんの植物がはえる潟には、たくさんの小鳥が飛んできます。カムチャツカ半島から3000kmも旅してくる、国の天然記念物「オオヒシクイ」の飛来数日本一を誇っています。
自然に包まれて幸せな気分にひたり、自然が心を癒し至福の時に誘ってくれるのを実感できる、「自然文化」を宿し育んでいくところです。
その年の米の出来によっても左右される米の吸水率を均一にするため、秒単位で調整可能な最新洗米機を導入。品種・水温・精米歩合・麹に合わせて理想的な吸水率に。
蒸米の硬軟調整ができるスーパーヒート蒸気。「外硬内軟(がいこうないなん)」の蒸米に仕上げることで、良い麹造りへとつながる。
麹造りは良質な酒をつくる要。手間を惜しむことなく、40℃以上の麹室で人の手によって麹が培養される。一粒一粒、ていねいに米をほぐします。
「酵母」を育てる工程。麹の酵素活性、麹米の溶け具合、酒母の泡立ちを見ながら酵母の増殖に最適な温度を見極め、仕込みの時を待つ。
米の溶け具合、温度上昇を見守り、酵母に最適な環境を保つ。蒸米が均一に分散してもろみタンクに投入できる搬送設備を導入。
じっくりと香味をつくりあげるのに最適な、精度の高い発酵温度管理ができるサーマルタンクを使用。その後、最適なタイミングでもろみを絞り、粕と清酒に分ける。
少しずつ温度を上げることで香り高い味わいを保ち、火入れ直後に瓶詰め、もしくは瓶詰め後に1回のみ火入れをおこなう。
火入れ後、鮮度を保つために低温貯蔵。瓶詰めして−4℃の氷温熟成により、酸化を防止するとともに、まろやかな味わいに。