• 嘉山開発秘話

嘉山開発秘話

2008年に当時社長兼製造責任者の小黒社長は地酒ファンの間では全国で有名な東京・多摩市の地酒専門店「小山商店」の小山喜八社長、神奈川県の地酒専門店「長谷川越後屋酒店」の長谷川 守社長に、何やら新しい酒を造ってくれと頼まれました。

しかし、地酒ファンの期待に応えられるのだろうか?という不安はあったものの、「新しい酒質の酒を造ってほしい」というリクエストに応えるために動き出しました。

小山喜八社長のコンセプトは大変手の込んだものだった。
これからの新しい酒の味わいは新潟の酒に代表されるような淡麗辛口ではないという。
その味わいとは…
小山社長の口から出てきた具体的なカタチとは…?

  1. 1…香りがあること。華やかな大吟醸の甘美な香りがあることだ。
  2. 2…甘い味、それも上品な甘みであること。
  3. 3…酸味があること。甘味に負けない量の「酸」があること。
  4. 4…甘味と酸味が拮抗(バランス)していること。
  5. 5…軽いのど越し。キレの良いこと。
  6. 6…全体がひとつにまとまってバランスが良いこと。
  7. 7…すべて「無ろか生原酒」(真夏用の生詰めひとつ火は別扱い)で出荷すること。

以上が新しい酒に対する要望事項。
これらの項目をすべて満たすことが出来る杜氏さんが居るのか?
DHC酒造は杜氏さんは居ないと聞いているが大丈夫か?

大丈夫ではないけれど、やってみない事には話は進まない。
気合を入れての酒造りが始まった!

新潟県の新しい酒造好適米「越淡麗」※1を100%使用して、精米歩合は60%に設定。
特別純米を仕込むことに決まった。(現在は精米歩合55%の純米吟醸)

※1 酒造好適米「越淡麗(こしたんれい)」…酒造好適米の「五百万石」を父、「山田錦」を母とし、両者の長所を残すように交配を重ね、長い月日を経て完成した新潟県での栽培に適した(基本的には吟醸酒向けの)新しい酒米で、当時の平山県知事が命名した。

2009年1月に酒造りが始まり、2009年3月上旬、ついに上糟(搾ること)。絞りたてを小山社長と長谷川社長に、試飲して頂いた。

その出来栄えに小山社長も長谷川社長もびっくり!
これまでの新潟県酒の淡麗辛口とまったく別物の酒に、小山社長も長谷川社長も納得。

香りは控えめで爽やか。甘みと旨みが口いっぱいに広がり酸のバランスも非常に良い。
最初はフルーティ、しばらくすると渋みと酸味が出てくる。
そして、後味は甘い余韻が感じられる。(新潟市Y氏)

越淡麗でこんなにも素晴らしい味わいの新しい概念の酒が誕生した瞬間であった。
何と言っても、他の原酒と比べると飲みやすい。
また、現代の食事にもしっくりと来る味に仕上がっている。文句なしの出来だ!

名前は「嘉山(かやま)」に決定。

嘉山とは、当酒蔵のある新潟県新潟市北区の地名である。
ラベルの文字「嘉山」は小山社長に揮毫していただいた。

そして多摩独酌会の眼かくし投票で、この酒は8位に入った。二度ビックリ。
2年目は5位に入った。小山社長夫人がボトルの半分を空けてしまうほどのお気に入り。
すっかり板についた酒造りが3年目を迎えて、今度は洗練されてきた。

小山社長いわく 「これで完全に新潟の酒を脱したね!」 …ここまで言わせた嘉山。

こうして嘉山は誕生しました。

そして現在は、さらに米にこだわり、地元契約栽培農家の「越淡麗」を100%使用。

要冷蔵の無濾過生原酒※2という非常にデリケートなお酒であるため、品質管理の徹底されたこだわりのお店弊社直営のショッピングサイトなどの限定流通商品となります。 常に最上の商品品質でお客様のお手許にお届けできることを目指します。

※2 無濾過生原酒とは、濾過せず、日本酒本来の旨みと香りをたっぷり残し、加熱処理せず生の状態でフレッシュに、加水をせず原酒の状態で濃厚な味をしっかりと楽しめるお酒です。
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