• 【漢方薬シリーズコンテンツ「natsuko先生のおうちで簡単・薬膳レシピ」】

【材料2人分】

●あさり              300g … 清熱(臓、主に“肝”にこもった熱を解く)  
●セロリ              50g …平肝(“肝”の機能を正常にし、不調によるイライラや怒りっぽい等の症状を緩和する)  
●サフラン             1つまみ(小さじ1/2程)…清熱  
米                1合(150g)…健脾・和胃(脾胃の機能を正常にする)  
●白ワイン             100t …理気(気の巡りを調え臓の働きをスムーズにする)  
●水                400t
●ニンニク             1/2かけ
●パセリ(刻んだもの)          適量
●ヌニェス・デ・プラド
 エクストラバージンオリーブオイル   大さじ2 …生津(全身に滋養を与え、臓の円滑な働きを助ける)
レモン(櫛切りにしたもの)    お好みで

【作り方】

  1. 1. あさりは海水程度の塩水に2〜3時間つけ、砂抜きをする。セロリ、ニンニクはみじん切りにする。
  2. 2. フライパンにあさり、白ワイン、水を入れて中火にかける。蓋をして約5分、あさりの口が開くまで蒸す。ザルにあけて蒸し汁とあさりを分ける。蒸し汁にサフランを加えて色を出す。あさりは半分を殻つきのまま、残りはむき身にする。
  3. 3. フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、ニンニク、セロリを入れて弱火にかける。ニンニクの香りが立ち、セロリが少ししんなりするまでゆっくりと炒める。中火にして米を加え、米が透き通るまでフライパンをゆすりながら炒める。
  4. 4. 3.に蒸し汁をサフランごとお玉2杯加え、弱中火で炊く。汁が少なくなってきたらお玉1杯の蒸し汁を足し、蒸し汁が無くなるまでこれを繰り返す。
  5. 5. 蒸し汁が無くなり、お米に少し芯が残る程度に火が通ったらあさりを加えて中火にし、水分を飛ばす。水分が飛び、とろみがついたら皿に盛る。オリーブオイル大さじ1をまわしかけ、パセリを散らす。お好みでレモンを絞っていただく。

【お料理ポイント】
☆米を炒める際、炊く際には木べら等を使わずフライパンをゆするだけにしましょう。器具を使うと米粒がつぶれやすく見た目が悪くなり、粘りも出て食感が悪くなってしまいます。
☆米を炊く際には時々フライパンをゆすり、米、セロリ、ニンニクが一か所に固まらないようにします。

 

natsuko先生の 薬膳コラム&食材ポイント

みなさんいかがお過ごしですか?心待ちにしていた春がやってきましたね。暖かくからだも動かしやすくなる季節ですが、一方で春は心がとても不安定になりやすい季節です。イライラしたり、少し怒りっぽくなったりしていませんか? それは“肝”に不調が起きているからかも…今回は『春のイライラと“肝”』についてのお話をしましょう。

肝は気を巡らせ、汗や尿となり発散されるまでの気の一連の動きをサポートし、気の交通整理をする内臓です。春と関連している内臓なので、草木がぐんと伸びて芽を出すように肝も春に暖かくなるとたくさんの気を取り込み、巡らせようと激しく動き始めます。すると気が増え過ぎてしまい、交通整理が上手く出来なくなります。肝は不要な気を溜めこみ、気の交通渋滞が起きるのです。気は熱を持つため、肝の熱はどんどん上がり、動きはますます激しくなっていきオーバーヒートを起こします。中医学では、肝と怒りの感情が深く関わっていると考えられていて、肝が熱を帯び、動きが激しくなれば怒りの感情も激しくなり、抑えきれなくなってしまいます。これが春のイライラの原因となるのです。

今回のレシピでは、肝の熱を冷まして動きを穏やかにし、イライラの元である怒りの感情を落ち着かせます。そして溜まった古い気を発散させて気の動きをスムーズに。また、肝のすぐ上にある“脾”も肝の激しい動きに圧迫されてダメージを受けているので、あわせて補っていきます。

「百病、生於気也」(百病は気機の失調により発生する)と中医学では考えられています。気の巡りをスムーズに調えることは健康維持にとても大切です。 健康な体と穏やかな心でこの春を過ごしましょう。※“脾”は消化器官。働きについては1月のコラムで解説しています。

☆サフランは【清熱】の他、【調経】や【活血】の働きもあり、月経不順の緩和に良く用いられる薬膳食材です。

☆“脾”のダメージが大きく消化機能に不調を感じる際にはセロリの半分を玉ねぎに替えると良いでしょう。玉ねぎには胃の機能を調整する【和胃】の働きがあります。

バックナンバー