どうして女性の味方なの?

漢方薬は、自然の恵

動物、植物、鉱物、菌類、昆虫など、長い経験の中で選ばれた天然物に、乾燥または簡単な加工を施したものを生薬といいます。

生薬をおもに2種類以上、混ぜて処方したものが漢方薬です。
生薬の組み合わせ効果が漢方薬の真髄と言えます。

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生薬の一例

花や果実、種、根、茎、樹皮、葉など、生薬によって用いる部分が異なります。

生姜(ショウキョウ)

ショウガの根茎。コルク皮を除いて乾燥したもの。

大棗(タイソウ)

ナツメの果実を乾燥したもの。

杏仁(キョウニン)

アンズの種子を乾燥し、割って取り出した仁を乾燥したもの。

牡丹皮(ボタンピ)

ボタンの根の皮を乾燥したもの。

処方の一例

下記のように、規定された分量をとって製造した漢方薬を「満量処方」、 また3/4ずつとって製造した漢方薬を「3/4量」といいます(生薬の割合は同一)。

葛根湯かっこんとう

葛根(カッコン)4g

麻黄(マオウ)3g

大棗(タイソウ)3g

桂皮(ケイヒ)2g

芍薬(シャクヤク)2g

甘草(カンゾウ)2g

生姜(ショウキョウ)1g

名前について

漢字ばかりで難しそうな漢方薬の名前ですが、一定の法則があります。

含まれている生薬に由来

葛根湯(かっこんとう):メインの生薬の名前
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):材料となる生薬の頭文字


入っている生薬の数に由来

八味丸(はちみがん)、五苓散(ごれいさん)

薬の効果に由来

大建中湯(だいけんちゅうとう):中とはお腹のことで、“お腹を建て直す薬”という意

※一例です。

日本育ちの漢方

漢方とは日本で生まれた医学体系。
5〜6世紀以降、中国から日本に医学が伝わり、室町時代以降は、日本国内の風土や気候、日本人の体質や暮らしに合った医学に進化していきます。

江戸時代には「けつすい」という漢方独自の考えが生まれました。

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漢方独自の考え1

しょう」とは?

その人の心と体の状態を表します。症状や体格などから判断し、「証」にあった漢方薬を処方します。分け方のひとつに「虚(きょ)・実(じつ)」があります。

漢方独自の考え2

けつすい」とは?

「気・血・水」の3要素が体内をうまく巡ることで健康が維持され、このバランスが崩れると、不調になるだけでなく、肥満になったり、精神的に不安になったりすると考えられています。

漢方薬と西洋薬の違い

漢方薬のおもな特長

  • ●複数の生薬を配合
  • ●体質を改善して原因を取り除く
  • ●穏やかに作用するものが多い
  • ●「しょう」を診て処方
  • ●不定愁訴などの原因がわからない症状や体質改善などに適している

西洋薬のおもな特長

  • ●特定の有効成分を配合
  • ●特定の症状を抑える
  • ●効果発現が早いものが多い
  • ●異常から原因を特定する
  • ●原因が特定でき、原因別の治療が可能な場合に適している

女性特有の「血」のめぐりを整える

漢方では、月経・出産のある女性の体調は、「血」に関係が深く、「血」が不足したり、「血」のめぐりが悪くなることで、様々な不調が起こると考えられています。

漢方には、「血」の不足を補う作用があるものが多く、全身の組織や器官に、うるおいと元気を与えてくれます。

つまり、女性特有の症状をケアするのに漢方薬はぴったりなのです。