荒井先生:食あたりによる一時的な下痢など例外もありますが、下痢や便秘が続く場合、便の形や色がいつもと違う場合、またニオイがキツくなってきた場合は、腸内環境の乱れが原因の場合が多いのです。腸内環境の乱れとは、すなわち腸の中に住む腸内細菌のバランスが崩れた状態のこと。わかりやすく言えば、腸内で悪玉菌が増え、善玉菌が減ってしまっている状態です。
荒井先生: 腸内細菌とは文字通り、動物の腸の中に生息している細菌のこと。腸内細菌には大きく分けて、悪玉菌と善玉菌があります。悪玉菌は腸内で有害物質を作り、腸の壁を傷つけたり、弱らせたりする、その名の通り、身体にとって悪い働きをする菌の総称。一方の善玉菌は、免疫力や抵抗力を高め、消化を促進するなど健康維持に欠かせない働きをする菌の総称です。ヨーグルトなどでおなじみのビフィズス菌は代表的な善玉菌ですね。善玉菌が減ってしまうと悪玉菌が勢力を増すため、腸の消化吸収力が弱まっておなかの調子がわるくなり、放置しておくと栄養不足や免疫力の低下など、全身に不調が表れるようになります。
荒井先生: 善玉菌減少の原因はさまざまです。代表的な原因としては、食生活の変化、ストレス、加齢、抗菌剤の服用などが挙げられます。大切なのは善玉菌が減って、ペットのおなかや全身の調子が悪くなってから、慌てて対策を講じるのではなく、普段から善玉菌を減らさないような食生活を心がけることです。免疫力や抵抗力が高まり、病気にかかりにくくなりますし、消化吸収力も維持できるので、おなかの健康も守ることができます。最近は善玉菌を補えるペット用サプリメントも揃っているので、活用するとよいですね。ヨーグルトを与えてもよいですが、ペットの体質によってはアレルギーが出たり、カロリーオーバーで肥満になってしまったりする場合が多いので、サプリメントを活用した方が、実は健康維持にも適切だったりします。
荒井先生:まずは、信頼できるメーカーの商品であることが大前提。大手メーカーの商品はしっかりと検証試験がされていますし、安全基準を満たした清潔な環境で製造されているので、安心して愛犬に与えることができます。そして、善玉菌を補うサプリメントの場合は、相乗作用が期待できるので、2種類以上の善玉菌が入っているものがおススメ。善玉菌だけでなく善玉菌のエサとなる栄養分(オリゴ糖など)が含まれているものを選ぶのもポイントです。

それと、私の患者さんには良く言うのですが、サプリメントは「続けやすさ」が非常に大切です。つまり、「入手しやすいものか?」。例えば、売っているところが家から遠くて中々手に入らない、とか、レアな商品で定期的に購入できないとなると続けるのが大変ですよね。また、「続けやすい価格か?」。高い価格だと、たとえ良いものであっても、中々続けにくくなってしまいますよね。

サプリメント、特に整腸作用を謳うものは、せめて1〜2ヵ月は続けないと反応が判断できません。
そういった意味で、私はDHCのペット向けサプリメントは続けやすい条件を満たしているのではないかと考えます。 ネットや電話の通販で簡単に購入できますし、価格も続けやすい設定になっていると思いますね。
荒井先生:そんなことはありません。確かに全てが生きたまま腸に届くのは難しいですが、逆に全て死んでしまうわけでもありません。また、乳酸菌はたとえ死んでしまっても、その細胞壁など菌体の成分と体が反応して、腸に良い反応を与えることが近年の研究で明らかになっています。たとえばフェカリス菌という乳酸菌の一種は、死んだ状態でも消化酵素の分泌を促したり、他の善玉菌のエサとなって腸内環境の改善をサポートしたりするといわれています。また有胞子性乳酸菌のように腸管内で発芽・定着し、ビフィズス菌など善玉菌が増殖しやすい環境を作るものもあります。
荒井先生: 一度試してみて、身体に合いそうなものであればまずは1〜2ヵ月。そこで、体調の変化が良い方向に行っているなと感じれば、あとはできるだけ長く飲ませ続けるのがベストです。 
サプリメントは薬ではないので、一朝一夕に反応が出るものではありません。体に合わない場合は別ですが、ある程度の期間与え続けてみて、長い目で体調の変化を観察することが大切です。特におなかの健康維持のために与えるサプリメントは、商品によって配合されている菌の種類が違うので、短期間であれこれ与えてしまうと、腸内環境が混乱して、かえって健康を害してしまう可能性もあります。また、善玉菌は寿命が短いので、毎日補充するのが理想的。気まぐれで与えたり与えなかったりするのではなく、毎日継続して与えるようにしましょう。
荒井先生: ペットの様子をよく観察するようにしましょう。 特におなかの調子を整えるサプリメントの場合、便の様子を確認することが大切です。下痢や軟便が続いているようなら、もしかしたらサプリメントが体に合っておらず、腸内環境が乱れてしまっている可能性もあるので、与えるのを止め、かかりつけの獣医師に相談してください。
荒井先生: ビフィズス菌だけでなくフェカリス菌や有胞子乳酸菌など複数の善玉菌がバランスよく含まれていますし、善玉菌が体内で増えるのを助ける米胚芽・大豆発酵抽出物(オリゴ糖を含む)などがバランスよく含まれているところも良いですね。また、嫌なニオイの元であるアンモニアの発生を防ぐ成分(ユッカ)も入っているので、ニオイが気になる場合にもおススメできます。

また、先ほども申し上げましたが、「価格」、「ネットや電話での通販」、「定期購入」など、「入手しやすさ」という点で「続けやすい」ところが良いですよね。DHCのペットサプリは結構考えているなと思いますよ。 一度は試してみる価値があると思いますし、良い反応を感じるようなら、日常の習慣とし、長く健康管理に取り入れてみるとよいのではないでしょうか。
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