恋愛関係というのは、人付き合いのなかで一番難しいものと僕は思います。

30代の女性にターゲットを絞り、大人の女性にふさわしいビターな装丁など、今までのマーチン先生のご著書とは異例のテイスト展開ですが、評判はいかがですか?

発売10日で増刷、こんなの初めてで正直びっくりしています。著書は10冊以上ありますが、もちろん今までの最短記録です。ベストセラーを目指してがんばります。
メルマガ「マーチン先生の恋愛教室」のほうには批判も頂戴していますが、どちらかといえば劇的に変わってうまくいったとか、感謝のご報告が多いです。ご批判内容は男尊女卑だというものですが、決してそうではありません。「自分が頑張りたい恋なのに、うまくいかない」なら、「自分が悪い」と考えるしか改善の方法はないのです。これを「男性に甘く、女性に厳しい」と捉えてしまっているようです。
だから、「今の自分じゃダメなんだ」ということを認められない人は、この本は読み進めにくいものかもしれませんね。でも、まずは、自分が変わらなくちゃ。
本も有料メルマガも、お金を払って読む以上、単に読んでアハハおもしろかったでは後が続きません。なるほど、そうだよなぁと思うことがないと。読んでいる人をなぐさめるような心地よい言葉を並べてあげることは簡単ですが、多少、耳に痛いことでも恋愛や人生にとって大切なことを伝えるほうが、結果として読者の役に立つと思って書いています。

劇的に変わってうまくいった方というのは、どう変わったから、うまくいったのでしょう? 変わる前は、どうしてうまくいってなかったのでしょう?

ものすごく天狗になっていた女性の例ですね。週末に彼が誘ってくれないと、「誘ってくれないなら一人でどこかに行くけどいいの?」というような感じです。それが、僕の話すことを聞いて、すべて謙虚に受け止めてくれました。自分はいったい何者なんだと、どれだけの価値があるんだという「気づき」です。これが、僕の言う、自分の市場価値を知るということなのですが、これで高い鼻がボキッと折れ、自分から相手にこうしてあげようとか、こうしたら喜んでくれるかなと考えられるようになりました。
うまくいかない人は、「どうして彼は〜してくれないんだろう」って不満をぶつけてばかりいるものです。だから、たとえば、一緒にいられることに感謝の気持ちがない。相手が自分のために何かしてくれるのは当たり前で、自分がする場合は、「やってあげる」。やってあげるのは損で、負けてる気がするから嫌だと。対等じゃないんです。
うまくいく人は、もともと男性を持ち上げるのが上手とか、気遣いができる人。僕の知り合いで、ものすごい気遣いのできる39歳の女性が、去年、ある男性と付き合い始め、3か月でプロポーズされたんです。

気遣いにしても、本の中にあった「全力を尽くすこと」にしても、男女関係に限ったことではありませんよね?

そう。僕は恋の話をする前に人生論の話をしているんです。恋愛関係というのは、人付き合いのなかで一番難しいものと僕は思います。だから、恋愛ができれば、会社での人付き合いも、お友達との交流もうまくできる。だから、もてるヤツは仕事ができるという話にもなる。仕事というのは、技術でする部分もあるけれど、大半は「人」とするものですからね。
「尽くす」という言葉も、相手に尽くすというような使われ方をしますが、本来は、全力を尽くすということ。全力を尽くし、人を思いやり、感謝の気持ちを持つ……、人付き合いの要は、また、男女関係を円滑に進めるための必須要素でもあるのです。
たぶん、誰と誰が付き合っても100点満点ってないんですよ。仮に、モテモテ年商1億の男と付き合ったとして、周りからは玉の輿と羨ましがられても、浮気しないかとか、お金があるからなんか悪いことしないかとか、別の心配が出てくる。どんな人と付き合っても100%万歳ってないんです。

死ぬまで成長して、いい女、いい男になっていきたいと思うのが人情です。それは、自分の人生目標とイコ−ルだから、辛くない。

仮にめでたく付き合えたとしても、その関係にあぐらをかいていちゃダメということですね。

もちろん!好きでいつづけてもらうためには、それなりの努力をしなくちゃいけません。努力するのは辛い? いいえ、辛くないんです。なぜか?自分の人生を考えたとき、今のままでいいですか?「はい」と答える人は、たぶんいないと思います。死ぬまで成長して、いい女、いい男になっていきたいと思うのが人情です。それは、自分の人生目標とイコ−ルだから、辛くない。
好きでいつづけてもらうためには、自分が成長するしかないんです。

男も女も、器だけでは通用しなくなってくる?

それが、20代と30代の違いです。20代だと、普通におしゃれして、こぎれいにしていれば、ものすごく可愛くなくても美形じゃなくても男性は寄ってくる。自分が率先して何も努力しなくても声をかけてもらえたり、おごってもらえたり、手伝ってもらえたり……、それがだんだん減ってくるのが30代。
でも、女性は、30代になっても20代の女の子の気持ちのまんまで男性に接しようとする。なんで男性は手伝ってくれないの? なんで私を誘わないの? その意識を切り替えないと、相当「痛い女」になりますよという警鐘を鳴らすのが本書の眼目。
たとえば、女性が10人いたら、3人は完璧そのタイプで端から論外になっています。あとは、「男ってこうよね」と決め付ける女性。たとえば、男ってセックスしたら、もう興味なくなるじゃないとか。確かにそういう男性もいるけど、そうじゃない人もいっぱいいるわけで、そういう固定観念で、「男とは〜」と決め付けてしまっている人が残った7人のうち3〜4人くらい。結局、全体の60〜70%の女性は、恋がうまくいかなくなるのです。

だから、内面磨きが必要になってくるわけですね?

そう。そして、自分を高めるために、ぜひ生きたお金の使い方をしてほしい。おしゃれでも、教養でも、なんでもいい、自分への投資を勧めます。
若いうちから、万が一に備えて貯金するなんて、もったいない。だって、万が一ってことは、残りの9999は何もないってこと。その万が一や、老後のために貯金をするより、現在と近未来の自分への投資をしてもらいたいですね。

男性からの相談もありますか?

比率は8:2から9:1で圧倒的に女性が多いですが、もちろん男性もいます。まぐまぐさんの協力でやった有料メールマガジンの読者調査では、きっちり半々で、男性51:女性49でした。これは意外だったので、男性向きのコンテンツも増やそうと心がけています。
おもしろいのは、男の相談は、「彼女をくどくにはどうしたらいい?」というのと、「ふられた彼女とヨリを戻すには?」に二分されること。交際中の悩み相談は1件もない!つまり、男性は女性と違って、交際中は特に何も悩んでいないということなんです。女性は交際中でも「メールが少ない」「会話がない」などあれこれ悩みがありますが、実は男性は、そんなこと気にしていないんですね。そういった分析も含め、相談者の方にはアドバイスをしています。
恋愛相談ですが、電話、メール、面談、いずれも僕一人で対応します。平均して1件あたり40分から1時間。人の心を読むのは得意なほうかもしれません。面談でなくても、電話なら口調とか、メルマガなら文体などで、その人の雰囲気が分かります。

思いやりや感謝の気持ちを持って接することのできる人間関係は、恋をしている状態よりもひとつ上のレベルだと考えています。

この仕事を始めて9年とのことですが、そもそも、どうして恋愛相談を専門に?

25、26歳頃から、サラリーマンを続けていくことに疑問を持ち、どうせなら自分の好きなことをやりたいと転職したり、資格の取得をしたりしながら、何をしたら一番いいか模索していました。その頃、たまたま読んだ中谷彰宏さんの本に、自分のしたいことを探すときには、過去を振り返って探せというくだりがあったんです。そのとき28歳。エクセルで自分の人生年表を作ったら、僕の人生は大きく4つのことで占められていました。小中学校時代は音楽、高校生の頃はパソコンに夢中でプログラムを作ったり。大学時代は、教員の親の影響か、教えることが好きだったので塾の講師と家庭教師のバイトばかり。社会人になってからはたいしたことしてないので書かなかった。そして、どの時代にも通底するように流れていたのが、恋!
これで、何をしろというんだ? と悩んだ末にたどり着いたのが、インターネットの恋愛相談サイト。パソコン、恋、指南、これで4つ中3つを充足。もう1つの音楽は、サイトに書いていたエッセイが音楽の詩的な要素を半分くらい満たしている。これで「好き」がほぼ出揃った。これが、仕事として成立するかどうか?
サイトは、心理テストやクイズ、恋愛相談の掲示板とコラムで構成しました。蓋を開けてみたら、掲示板とコラムだけが非常に盛り上がっていて、恋愛相談のニーズがあることが分かった。そこに注力し、まぐまぐさんのメルマガに登録したら、3日後に読者が1000人を超えていました。なんのCMもなしでの、この数字はすごいんだそうで、仕事にする自信が持てました。

どういう人に、一番この本を読んでもらいたいですか?

僕の話を受け入れがたいという人にこそ読んでもらいたい。鼻が天狗になっちゃってるような、自信過剰で高慢な女性に、自分を変えるきっかけにしてもらいたい。今までのやり方では通用しないということ。
うまく恋が実らない人から多い相談が、“ちゃんと気持ちを伝えたほうがいいでしょうか”というもの。同様に、“どんなメールや電話をしたらいいでしょうか”という相談も、けっこう多い。その時の感情に左右されてしまって、目先のことしか考えられなくなっているんです。
そうではなくて、彼と付き合いたいと思ってるのか、それとももちゃんとした関係が無理なら別れたほうがいいと思ってるのか。自分が本当にどうしたいのかは、自分でじっくり考えたら答えが出るものです。そして「目先の感情の向こう側にある目標」に向かって、今をどうするべきなのかと考えることが大切なのです。そういう考え方ができるようになりたいと思われたら、ぜひともこの本を読んで、自分の気持ちを自分で見つめるためのヒントを得てほしいと思っています。

最後にひと言、脱婚活に向けての熱いエールを。

一時的な幸せではなく、幸せな状態を続けたいなら、人間的に成長することが一番大切だと思います。結婚生活も恋愛も、好きだけでは続きません。相手を思いやり、一緒にいてくれてありがとうという感謝の気持ちをもつことが大切です。僕は、思いやりや感謝の気持ちを持って接することのできる人間関係は、恋をしている状態よりもひとつ上のレベルだと考えています。ドキドキワクワクの恋をしている状態も楽しいけれど、それだけでは幸せは続きません。相手に対して何かをしてあげたいという気持ちや“ありがとう”の気持ちをお互いに与えあうことができる関係を築かないと、いつまでたっても同じレベルで悩むことになるんです。つまり、“どうして〜してくれないんだろう?”という不満を捨てて、自分ができることを、自分で考えて行動に移すことができれば、お互いを敬うことのできる恋以上に素敵な関係を築くことができると思います。本書を読んで、そういったところを知ってもらえれば、これ以上嬉しいことはありません。この考え方が浸透すれば、恋愛市場は劇的に変化を遂げるかも、なんて思っています。

プロフィール
マーチン
作家、恋愛カウンセラー、神職。日本で唯一、恋愛相談のみで生計が立つと言われる、恋愛相談のプロ。実践派の恋愛メルマガ「マーチン先生の恋愛教室」は、まぐまぐ大賞2008で、恋愛・結婚部門第1位を受賞。また34歳にして東証一部上場企業の相談役に就任する一面も持っており高度なビジネス視野も併せ持つ。『“相手の気持ち”を離さない秘密の恋愛ルール』『男の人って、女がどんなことしてくれるとうれしいの?』(以上、大和書房)、『「あきらめきれない恋」の叶え方』(PHP研究所)など著書10冊以上。
書籍
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