5-ALAファイブ-アラ』で命が輝き
世界が変わる。
研究に捧げた35年間と、
私たちの未来の話。
2022.05
“生命の根源物質”とも呼ばれる5-ALAの大量生産に世界で初めて成功した、ネオファーマジャパンの田中博士にお話を伺いました。
田中 徹 博士
1986年岡山大学理学研究科修了。1995年工学博士(広島大学)、2003年コスモ石油ALA事業推進センターセンター長などを経て、2020年ネオファーマジャパンチーフサイエンティスト。高知大学客員教授。ポルフィリンALA学会副会長。日本沙漠学会副会長。

――5-ALAの研究ではじめに発見したのはどのようなことですか。

植物に対する生長促進効果です。

  • 広島大学で研究を始めて、発酵法で5-ALAファイブ-アラを生産しました。5-ALAを含む発酵液を植物に散布すると、5-ALAが発酵液に含まれるミネラルと作用して植物の生長を促進させました。鉄やマグネシウムなどのミネラルと5-ALAを同時に与えると光合成を高める生長促進効果があるとわかったのです。

――具体的に植物にどのような変化が見られたのですか。

収穫量が増え、ビタミンやポリフェノールなどの栄養価が上昇しました。

  • オランダでは「肥料の革命」といわれました。
    光合成の仕組みは人間のエネルギー産生の仕組みに似ているから、人間にも技術応用できるだろう、と。
    当時、研究で各国を飛び回っていた私はイタリアの景色を眺めながらそう思いましたね。

――それ以来ずっと5-ALAにたずさわっていらっしゃるのですか。

はい。研究を始めて35年です。

1999年に日本生物工学会から5-ALAの製造法の開発に対して技術賞を、2005年には5-ALAを配合した肥料の開発で植物化学調節学会から技術賞をいただきました。

――初期の開発で苦労なさったことはなんでしょうか。

5年もかけて10万株を超える菌を評価したことです。

大量生産するためには光照射のない環境でも5-ALAが生産できる変異株を育種せねばなりません。本来、発酵に使用する光合成細菌は、光が当たっているときしか5-ALAを作れないからです。
これは前例のない挑戦でした。
変異株を見つけるために、滅菌したつまようじで毎日菌をつつきました(笑)。

――地道な作業ですね…。

当時は何の見通しもないまま必死にやっていました(笑)。
しかしその甲斐あって大量生産が可能になって、今のネオファーマ袋井工場ができたわけです。

――ネオファーマジャパン製の『5-ALA』の特長をお教えください。

「食品」として食べられる原料しか使っていませんから、とにかく安心安全です。

  • 生産に用いる菌も食品生産に使われた実績があり、私たちの手法で生産された5-ALAは日本の食薬区分で食品として認められています。この製法で『5-ALA』を作っているのはネオファーマ袋井工場だけですね。
    実は、市場には化学合成品の『5-ALA』も出回っています。化学合成品の不純物を完全に取り除くには医薬品並みの厳格な品質管理が必要ですし、化学合成で作られた5-ALAは「食品」としては認められていないのでおすすめできません。

――5-ALAはさまざまな技術に応用されていると伺いました。

肥料や化粧品、サプリメントと実用の幅は広いです。

――今後はどのような場面で5-ALAを役立てていきたいですか。

食糧問題の解決に貢献したいと思っています。

  • 飢餓をまねく深刻な食料問題がやがて訪れるでしょう。5-ALAは植物の耐塩性と水利用効率を上げるので、荒廃地での農業や沙漠の緑化に役立つはずです。

――私たちの生活と5-ALAの関わりがますます深くなりそうです。

身近で手に取りやすいことが5-ALAのよいところですからね。

近年、人間の寿命は延びましたが健康寿命はあまり延びていません。体内での5-ALAの合成能力は加齢とともに低下します。自分の健康を守るために、サプリメントとして5-ALAが練り込まれた羊羹やゼリーをとって、日々のセルフケアに役立てられるといいですね。健康寿命が伸びれば、介護問題も減るはずです。

――最後に。田中博士は『5-ALA』のサプリをとっていらっしゃいますか。

12年くらい前からとっています。お酒を飲む日にとりますから、ほとんど毎日ですね(笑)。

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