自分を見つめ、
豊かに歳を重ねる。
究極の予防医学が
教えてくれること。
2022.07
人の老化度を科学的に測る「抗加齢ドック」を開設。
抗加齢医学の第一人者である久保先生にお話を伺いました。
久保 明 医師
医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長。東海大学医学部医学科 客員教授。
日本抗加齢医学会評議員。

――先生が長年お取り組みされている「抗加齢医学」とはどのようなものですか。

疾病を持っていてもいなくても、ありのままの自分でいられる人生を目的とした医学です。

健康寿命を伸ばし、豊かな老いを追求することから「究極の予防医学」とも言われています。

――先生が東海大学医学部付属東京病院で「抗加齢ドック」を立ち上げられた目的をお聞かせください。

抗加齢医学は、自分のからだとこころに耳を傾けることから始まるからです。

抗加齢ドックはその第一歩。ドック結果に応じた医学的サポートを受けて、加齢による疾病や身体的不都合の予防・軽減を目指しています。

――どういったきっかけで受診される方が多いのでしょうか。

どのような検査結果であっても、そのままの自分の状態を受け入れて、健康長寿のために対策を立てたい方が多いですね。

前身となるドックと合わせて4,000人以上の方が受診されています。

――現代では、高齢の方もパソコンやスマートフォンを見る時間が増えています。高齢の方の眼の健康についてお感じになることはありますか。

視覚を含む感覚器の衰えが、日常生活の質に大きく関係していると感じます。

  • 「かすみ」や「ぼやけ」など、大きな病気ではないと感じる症状も日々の不快感に繋がります。聡明な生活維持の観点からも、視覚の老化やご自身の眼の健康に意識的になることが必要です。

――DHCではかすみ・ぼやけを改善する『ルテイン』に着目し、サプリメントでとることをお客様におすすめしています。先生は、ルテインについての臨床試験も行っていらっしゃると伺いました。※コントラスト感度の低下による

はい。ルテインの人への機能を検証するため、サプリメントなどの原料を取り扱う会社の研究をサポートしています。

眼の黄斑部の色素状態について臨床試験も実施しました。ルテインを投与した群とそうでない群を比較検討した結果、コントラスト感度や黄斑部の色素に違いが見られました。

――『ルテイン』をサプリでとることについては、どう思われますか。

ルテインやアントシアニンをとることは有用だと思います。

40代からアイケアの必要性を感じる方が増えるので、30代のうちから早めにとることをおすすめします。手術療法が進歩して、白内障や緑内障などの疾患に対しては医学的手段が確立しています。一方で、加齢に伴う視力の低下に対して、積極的に対処することが今後の大切な課題です。

――年齢を重ねても、眼を良い状態に保ちたいものです。眼の機能の衰えを予防するために自分でできることがありましたらお教えください。

すぐにできる簡単な眼のトレーニングを2つご紹介します。

サプリをとりながら取り組んでみるのもいいですね。

久保先生おすすめ


眼のトレーニング
illustration/Mariko Yamazaki

――抗加齢医学の第一人者としてのお立場から、年齢を重ねても元気に人生を謳歌するには何に気を付けたらよいとお考えでしょうか。

まずは、ご自身の毎日の行為や生活パターンを丁寧に見つめてみてほしいです。

健康情報があふれている一方、自分を「見つめる」という行為があまりにもなされていないと感じます。呼吸する、食べる、排泄する。動く、想う、寝る…などですね。その中で、自分が得意なことや劣っていることは何かじっくり考えてみてください。自分のこころに耳を傾ければ、心身ともに健康に暮らすヒントが見つかるはずです。

――その方法ならばすぐに実践できますね。

ぜひ試してほしいですね。自分の弱みを知れば、じゃあこうしてみようと対策を立てられますから。

抗加齢ドックを設立したとき、私も受診しましたら、いくつか問題がみつかりました。活性酸素のレベルも高く、頸動脈の内膜は比較的厚い状態でした。だからといって気落ちしなくていいんです。
人間は矛盾の複合体といわれます。矛盾があって当たり前です。
今日も患者さんとも話したんですよ。「これをすれば必ず長生きできるという方法はない。だから人生面白いんじゃないの?」って(笑)。

《編集後記》

様々なメディアで目にする「アンチエイジング」の文字。見た目の若さを保つ意味で使われることが多く、自分の意識の低さを責めてしまうことも…。久保先生のお話にあった「見つめる」行為が足りず、焦りばかりが先行していたようです。まずは久保先生おすすめの眼のトレーニングを始めました! 毎日の健康習慣が心を穏やかにしてくれる気がします。

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